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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
3月号
中小企業の事業承継後、後継者が経営力を高める方法

こんにちは横浜の税理士・公認会計士の佐々木彰です。

前回は、事業承継後の安定経営に向けたステップを解説しました。

今回は、事業を引き継いだ後継者が、どのように経営力を高め、会社を安定・成長させていくかについてお話しします。

事業承継が完了した後、後継者が直面する最大の課題は「経営者としての実力をどのように高めるか」です。

特に中小企業の場合、経営者の手腕が業績に直結するため、成長を持続させるには後継者が「自社に合った経営力」を身につけることが重要になります。

先代の経営ノウハウを継承しつつ、新しい時代に適応する力を身につけるために、次のステップを実践していきましょう。


1.経営の基礎を自社の実態に合わせて学ぶ

後継者にとって、経営の基礎知識を理解することは不可欠です。

しかし、大企業向けの経営理論をそのまま中小企業に適用するのは難しいため、「自社に合った経営の知識」を身につけることが重要です。

学ぶべき分野(中小企業向け)

・資金繰り管理:売上規模が小さいほど、キャッシュフローの変動が大きいため、短期的な資金計画を重視。

・採用と定着の仕組み:中小企業では「人材確保」が大きな課題。求める人材の定義や採用方法、育成計画を学ぶ。

・実践的なマーケティング:大手と同じ手法は通用しない。口コミ、地域密着、紹介など、自社に適した集客方法を考える。

・後継者ならではの立場を活かした営業:社長交代後は取引先が不安を抱くため、後継者としての「安心感の提供」を意識。

学習方法

・地元の経営者勉強会や商工会議所のセミナーに参加

・同業の先輩経営者に相談

・先代と一緒に得意先回りをし、現場感を掴む


2.数字を味方にする財務スキルを身につける

中小企業の経営では、「売上が好調=安定経営」とは限りません。

利益を確保しながら、資金繰りを安定させるスキルが必要です。

最低限押さえておくべきポイント

・キャッシュフロー(資金繰り)
売上が増えても、仕入れや人件費の支払いが先に発生すると資金不足になることも。短期資金計画を必ず作成。

・利益率の管理
売上の大部分を少数の取引先に依存しているケースが多いため、利益率を意識し、適正価格を確保する。

・銀行との関係構築
中小企業は、金融機関との信頼関係が事業継続の鍵。定期的に業績報告を行い、良好な関係を築く。


3.先代の経験を活かしつつ、時代に適応する

中小企業では「先代のやり方を守ること」が重視される傾向がありますが、変化する市場環境に適応しなければ、事業の存続は難しくなります。

先代の知識を活かすポイント

・主要取引先や仕入れ先との関係性を学ぶ(信頼関係を崩さないよう注意)

・業界特有の慣習や取引のルールを理解する

・創業時からの理念を確認し、社内の価値観を知る

時代に合わせて改善すべきポイント

・業務のデジタル化:紙ベースの管理をデジタル化し、業務の効率化を図る。

・新たな販路の開拓:従来の取引先だけでなく、オンライン販売や異業種とのコラボなど新たな市場を模索。

・社内コミュニケーションの改革:従業員との距離を縮め、風通しの良い職場を作る。


4.社員との関係を強化し、組織を安定させる

中小企業の経営では「社長と社員の距離」が近いため、人間関係が業績に直結します。

特に、先代のカリスマ性で成り立っていた会社では、後継者が社員の信頼を得るまで時間がかかることもあります。

信頼関係を築くためのアクション

・社員の話を聞く場を増やす(現場の不満や意見を把握)

・定期的な1on1ミーティングを導入

・評価制度や給与体系を見直し、納得感のある仕組みを作る

従業員が安心して働ける環境を作ることが、会社の安定につながります。


5.経営方針を明確にし、次の成長を目指す

中小企業の経営は、「何をやるか」よりも「何をやらないか」の選択が重要になります。

ビジョンを明確にするための3つのポイント

1. 会社の強みを活かす
・大手にはできない「柔軟性」「スピード」「地域密着」を強みにする。

2. 現状維持ではなく、長期的な成長目標を設定
・売上や利益率の目標を数値化し、進捗を管理する。

3. 「後継者だからこそできること」を打ち出す
・先代の功績を尊重しつつ、新しい経営者としての強みを発揮。


6.会社の定期評価を行い、経営の改善を続ける

事業承継後は、定期的に会社の状態を見直し、必要な改善を行うことが重要です。

チェックすべきポイント

・毎月の業績レビュー

・主要取引先の状況確認(取引先の財務リスクも考慮)

・金融機関との関係強化(融資枠の確保)

・社員の定着率・満足度の向上

計画的に会社の状況を分析し、適宜、戦略を修正していくことが経営の安定につながります。


おわりに

中小企業の事業承継後は、「社長が変わる」だけでなく、「会社のあり方そのものが変わる」タイミングでもあります。

その変化をスムーズに進めるためには、後継者が経営力を高め、会社をより良い方向へ導くことが求められます。

次回のコラムでは、事業承継後に発生しやすい具体的な課題と、それを解決する方法を詳しく解説していきます。

2025/03/01
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