┃相続コラム | |
近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |
こんにちは、横浜で安心な相続のお手伝いをしている税理士・公認会計士の佐々木彰です。
今回は終活や相続に不安がある人たちに向けた「その終活や相続についての不安がどこから来るのか」を説明します。
終活や相続に漠然とした不安を感じているのは親世代だけでなく子供世代も同じです。
安心な相続にするためにも、まずはその不安の正体を明らかにしていきます。
※子供世代の不安は次回以降のコラムで紹介します
まだエンディングノートをお持ちでない人はTOS佐々木会計のエンディングノートをご利用ください(2種類のエンディングノートになっております)
1.親世代が感じる不安
親世代が感じる不安には大きく分けて2通りあります。
ひとつめは終活(生前)に対する不安
ふたつめは相続(死後)に対する不安
この2つに共通することは「自分ではどうにもならないこと」ということです。
終活(生前)に対する不安の例として「人生の最期はどこで過ごすのか」という話があります(最期は自宅か病院またはそれ以外のどこで過ごしたいのか)。
この話を考える上では本人の希望が最も大事なことですが、その希望を叶えるためには家族の協力が必要不可欠です。
また、家族で最期の介護や医療を具体的にはどうするのかまで考えなければ結論はでないかもしれません。
その他相続(死後)に対する不安の例として「お墓をどのようにするのか」という話があります。
この話を考える上でも、先程の例と同じように本人の希望(先祖代々のお墓を使うのか、別の場所のお墓にするのかなど)だけでなく、そのお墓を維持・管理する子供の協力が必要です。
お墓と自宅の距離が遠い家族の中には、子供の負担を軽くする目的で遠くのお墓の墓じまいが増えています。
① 終活(生前)に対する不安の例
・最期を過ごす場所をどうするか(終末期の介護・医療)
・認知症になったらどうするか
・どのタイミングで事業を子供に譲るか(事業承継)
・老人ホームの是非
② 相続(死後)に対する不安
・誰がお墓の維持管理をやってくれるのか
・事業を維持・繁栄できるのか(廃業の不安)
・自宅を相続してくれるのか
・お葬式(家族葬など)
それぞれの不安に関する一例を紹介しました。
これを見て「うちの家は子供がしっかりしているから大丈夫」と思った人は注意してほしいことがあります。
2.本当に親の思っている通りになるのか
終活・相続で感じる不安の正体を紹介しました。
もしこの不安の例を見て「うちは大丈夫」と思った人は想像してみてください。
「あなたが今日寝たきりになって、1か月後に亡くなるとすると、ご家族はあなたの思った通りに動けますか?」
最悪のパターンとしては
親の希望 | 最悪のパターン |
事業を維持・繁栄してほしい | 廃業 |
自宅に住み続けてほしい | 手持ちの預金では相続税が払えず自宅売却 |
最期は自宅で過ごしたい | 子供は親の希望知らないため、最期は病院 |
このように親の希望に対してそれを実行するために必要な要素が不足している可能性があるのではありませんか?
例えば
① 家族(子供)との意思疎通(話し合いによって希望を伝えたり、妥協点を探る)
② 資金(希望を叶えるためにはどうしてもまとまったお金が必要になることがある)
などです。
これらの最悪のケースは実はよくあるケースなのです。
なぜかと家族の立場になって考えると分かります。
親の希望 | 家族の判断 | 実際に起きたこと |
事業を維持・繁栄してほしい | 資金が枯渇する前に早めに会社を閉め、従業員に退職金を支払う | 廃業 |
自宅に住み続けてほしい | 家族で共有しにくい不動産を資金化 | 手持ちの預金では相続税が払えず自宅売却 |
最期は自宅で過ごしたい | 充分な医療が受けられる病院で最期を安心して過ごしてほしい | 子供は親の希望を知らないため、最期は病院 |
このように「親との意思疎通」が無い状態で家族が合理的な判断をすることで、親の希望通りの結果にならない可能性は十分にあるということです。
また資金的な問題から、相続のタイミングで自宅などを売却するケースは珍しくありません。
この「残念なすれ違い」が起こらないように、安心して相続をしてほしいと思っています。
3.安心したければ「自分が動き、相手を動かす」
このように家族であっても人や状況によって考え方は違います。
ではこのようなことが起きないためにはどうすればよいのでしょうか。
答えは簡単です。
① 家族(子供)に自分の希望を伝え
② 必要な資金を把握し相続させる
ということです。
親の希望 | 親がやるべきことの一例 | 家族の行動 |
事業を維持・繁栄してほしい | 社長交代の不安定な時期を乗り切るため必要な運転資金等を確保 | 事業継続し、家族・社員一丸となって困難を乗り切る |
自宅に住み続けてほしい | 生命保険などにより相続しやすい現金を確保 | 代償分割などをつかい、円満な遺産相続でき、自宅を住み続けることができた |
最期は自宅で過ごしたい | エンディングノートに終末期の希望を残し、家族に渡していた | 親の希望を知っていたため、最期は家族と一緒に自宅で過ごした |
このようにまず自分が動くことで、家族が動きやすい環境・状況をつくります。
これができなければ、「残念なすれ違い」が起こることはないでしょう。
4.おわりに
もし具体的にどのような方法で動けばいいか分からなければご相談ください。
あなたとご家族に合った方法をTOS佐々木会計がお手伝い(コンサルティング)いたします。
私たちTOS佐々木会計は終活・相続の悩み相談を受けております。
是非お問合せフォームや電話・FAXにてご連絡ください。
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